介護業界には様々な雇用形態があるが、パートからスタートして正社員に転職するという人も少なくない。

パートから正社員に昇格する大きなメリットの一つが収入アップだ。
介護業界は他業種に比べて平均年収が少ないと言われている。日本全体の平均年収410万円前後に対して、介護業界は380万円程度だ。パートの時給も同様に低めに設定されているため、家族のいない単身者でもギリギリの生活を強いられるケースは珍しくない。
だが正社員になれば収入がアップするので生活に余裕を持つことも可能だ。将来的にケアマネージャーなどのキャリアアップを目指す場合、正社員として雇用されていることが最低条件となる。

正社員はパートやアルバイトに比べて雇用が安定しているのも魅力の一つだ。
パートは経営状態の悪化などを理由に雇用主の判断で解雇することもできるが、正社員は制限が設けられているので正当な理由がなければできない。長期的に働いていくことを希望している人にとってこの点は大きな魅力だ。
こうした点に強く惹かれるならば、正社員に転職するのも選択肢の一つとして考えてみるのも良いかもしれない。

だが、残念ながらメリットばかりではなく、気を付けなくてはいけない点もあることを知っておこう。
その一つが拘束時間の長さだ。パートやアルバイトは週の勤務日数や1日の勤務時間について個人の意見が通りやすいが、正社員はフルタイムが基本となる。夜勤はもちろん、欠員が出た時の臨時勤務や必要に応じて残業もしなくてはいけない。仕事と育児との両立を図る場合、子供の送り迎えなど私生活に影響が出ることもあるので注意が必要だ。